フジサルの戦術メモ

サッカー,フットサルの戦術論,哲学について僕の理論を喋ります

プレスをかけることと守ることはイコールではない

ここ数か月前にDAZNに登録してからJリーグを見る機会がかなり増えました。そこでいつも個人的に思うことがあります。それは、相手チームと戦う以前に、自分たち自ら敗因をつくってしまっているケースがあまりにも多いということです。それはJリーグのリーグそのものに問題があるのではなくて、日本のサッカーそのものに問題があると思っています。先日行われた日本代表vsブラジル代表の試合を見ていてもそれは同じでした。今回は11月10日(金)に行われた日本代表vsブラジル代表のある二つのシーンを取り上げて、自ら敗因をつくってしまっているケースの内の守備について話そうと思います。

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人数をかけたが故に不利になる

まず、一つ目の動画は、マルセロからネイマールにパスが出て、その間を通されてプレスを回避されたというシーンです。まずは、このシーンの問題点と改善策について触れていきます。

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マルセロからネイマールにパスが出たシーンです。日本の選手の重心を見ればわかりますが、そのパスが出たことに対して、二人でプレスに行こうとしているのがわかります。恐らく、日本の選手としては「ネイマールを自由にさせてはいけない!だからプレスをかけなければ!」というような感じで、これはまったくそのとおりなのですが、自由にさせないための策が個人的には間違っているなと感じました。

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そして、上のシーンの後、ネイマールに二人でプレスをかけたシーンがこの画像になります。ネイマールにプレスをかけに行ったことによって、マルセロにスペースを与えてしまいました。そうなれば、マルセロからしたらこの空いたスペースを使えばプレスを受けずに前進できるわけですから、当然、マルセロは侵入していくわけです。それに、この状況で、ネイマールの利き足とマルセロの動きを考慮すると、例え間へのコースが切れていたとしてもマイナス方向へ逃げられてプレスを回避されるのが落ちです。そうなれば、どっちにしろ3人目としてスペースに侵入したマルセロを使われるのが予想されます。f:id:fujisal:20171111130003p:plain

では、どうすればよかったのか?それはかなり簡単な話で、そもそもスペースを埋めてしまえば解決するという話です。もし、このように二人でプレスに行かず、二人のうち一人がその場に立ち止まっていたらどうだったでしょうか?この場合、有効に使えるスペースがそもそも存在しないので、マルセロは恐らく、抜けるという判断をしなかったはずです。こうすればネイマールが仕掛けるためのスペースも同時に埋めることができるので、ここから予測されるネイマールの選択はマルセロへのバックパスのみ。そうして、相手の侵入を防ぐことができたら、相手のボールの位置に合わせて、またポジションを修正していけばいいだけです。

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ただ、二人でプレスへ行ってしまったことには仕方がありませんが、この場合は二人でプレスに行ったとしても、まだ方法はあります。それがこの画像の矢印のようにスライドするパターンです。これは、どういうことかと言うと、スペースを埋めるために左サイドから一個ずつ奥にいる選手がスライドをするという方法で、このようにスペースを埋めてしまえばネイマールによる間からのマルセロへのパスともう一つ奥にいる選手へのパスを奪取の狙い目にすることができます。

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ただし、この方法はあくまで修正ですので、最初に言った方法がベストだと僕は思っています。この場合でも守ることは可能かもしれませんが、ネイマールの利き足とボールの持ち方を考慮するとマイナスに逃げられる可能性がある。もしネイマールにマイナス方向にドリブルで逃げられてしまえば、中央の選手にパスが渡ることになり、中央の選手の前方には大きなスペースができることになるので、より危険な配置になることが考えられます。なので、最初に言った、その場に居座るだけという選択がベストだったのではないかというわけです。

守備時の優先順位

続いて、二つ目のシーンはこちらです。井手口がCBにプレスをかけに行ったことによって前進されるというシーンです。

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これは、左サイドバックにパスが出る前のシーンですが、実はこのシーンを見てもらえればわかると思いますが、井手口がセンターバックにプレスをかけに行くまでは日本の守備組織に穴は存在していないんです。この後、左サイドバックを経由してセンターバックにボールが渡りますが、センターバックにボールが渡った状態からブラジルの選手は有効な攻撃ができる配置でしょうか?僕にはこの配置からブラジルが攻撃の糸口に直結するような選択をするのは不可能だと思います。

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そしてこれが、井手口が自分の埋めているスペースを捨てて相手センターバックにプレスをかけに行ったシーンです。

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ここで見てほしいのが井手口が自分の持ち場を離れたことによって相手に与えたスペースです。ブラジル代表クラスの選手たちがこれだけわかりやすく空いたスペースを見逃すわけがありません。それに、守備のセオリーでもあるFW-MF-DF間の距離をコンパクトにすることでスペースを埋めるという一つの鉄則のようなものをおもいっきり無視しています。自分の選択の方がセオリーよりも効果的だと言うのならセオリーは絶対ではありませんが、このように相手にとって優位な状況をつくるのならセオリーは破るべきではありません。

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その結果、井手口が埋めていたはずのスペースを3人目の動きによって見事に使われてしまいました。

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まとめ

今回、話した内容は守備の戦術というよりは、守備の根本的な部分の話です。そして、プレスをかければ必ずしも相手のプレーを限定することができ、守ることに直結するとは限らないということです。今回、例に挙げたどちらのシーンもプレスをかけることではなくて、プレスをかけずにその場に居座ることで守ることができるというシーンでした。

 

前にも「日本代表の抱える守備の問題点とは?」という記事でも触れましたが、この国のサッカーにはスペースを埋める意識と、守備の優先順位があまり浸透していないように見えます。こういった部分はあくまで、高度な戦術ではなく、高度な戦術を実現するためだったり、個人を活かすためのベースにすぎないので、これができないということは相手チームと戦う以前に自分たち自ら敗因をつくっているということになります。ただ、井手口なんかの対人スキルはかなり高いものがあるので、こういった部分が常識的に行えるようになればかなり化けるのではないかなと密かに期待していたりもします。

 

では、また。。。。。