フジサルの戦術メモ

サッカー,フットサルの戦術論,哲学について僕の理論を喋ります

戦術や選手の組み合わせによって選手の能力は左右される

もしも、メッシのドリブルを120%発揮させることができたら。もしも、ピルロのキックを120%発揮させることができたら。もしも、カンテの奪取能力を120%発揮させることができたら。

 

本当にそんなことがサッカーでは可能なのか?というのが今この記事を読んでいるあなたの一番の疑問だと思います。もし、そんなことができるのなら夢のような話ですよね。今回はそんな夢のような話である、選手の組み合わせによって選手の能力をフルに発揮させる方法を少しだけ紹介しようと思います。

 

まずはこの動画を。

これはマンチェスター シティvsウィスト ブロムウィッチのレロイ サネのゴール。左サイドで受けたレロイ サネは縦方向にマイナス気味に仕掛け、相手がニアを警戒したところ股抜きからファーへ、というゴールです。実はこのシーンに至るまでに、今回話すうえでとても重要な要素が含まれているので、その部分を主に取り上げていこうと思います。

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レロイ サネの個性とダビド シルバの個性

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この画像のシーンは右サイドからフェルナンジーニョがボールを受けたシーンです。相手選手のルックアップのタイミングや方向を見る限り、恐らく、この相手のCHはかなりシルバを警戒している様子です。その警戒をするあまり絞ることができずバイタルエリアを大きく開けることになってしまっています。ダビド シルバがいれば勝手に相手が警戒するので、それもダビド シルバを起用する一つの利点とも言えます。

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当然、マンチェスター シティとしては、中央にあれだけ大きなスペースがあれば利用するに決まっています。もし、あのスペースにガブリエル ジェズスが下りてきて振り向けば、簡単にシュートまで持っていくことができるので、フェルナンジーニョからしたらパス一本でシュートまで到達できるからです。ですが、相手もそんな簡単にシュートまで行けるような状況をつくるわけにはいかないので、スペースへ下りてきたガブリエル ジェズスへ付いて行かざるを得ないというのがこの状況です。そして、このシーンで本領を発揮するのがダビド シルバです。ダビド シルバは僕が見る限り、マンチェスター シティの中でもスペース感覚が、出し手としても受け手としても一人だけ頭抜けています。もちろん、他の選手も素晴らしいクオリティーだと思いますが、それでもです。そんなダビド シルバならガブリエル ジェズスが利用したことによって生まれたスペースを見逃すわけがありません。

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これが、上で説明したガブリエル ジェズスがスペースを利用したことによって生まれたスペースをダビド シルバが利用したというシーンです。画像だと画面外なのですが、この画面外にはレロイ サネと相手SBがいて、その相手SBはダビド シルバのいるゴール中央のスペースを埋めるために、どうしても中央を絞るという選択をすることになります。その選択をすることは中央のスペースを消すのと同時に左サイドに開いて待っているレロイ サネのいるスペースを捨てることなり、そうなると、相手の守備ブロックの人数の方が多いにも関わらず、ピッチの中央から左ハーフスペースにかけて、ダビド シルバ+レロイ サネvsSBという2対1をつくりあげることができます。2対1になった相手SBは当然2択を選ばされるのでフェルナンジーニョの選択を限定することはできません。

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その結果、相手SBは中央のスペースを埋め、相手守備組織は完全に中央から右サイドへ重心を移動することになりました。そうしてできあがったのがこの状況です。この状況を見ればわかるとおり、レロイ サネと相手SBの距離はかなり開いてしまっていて、相手守備組織の重心が中央から右サイドへ移動しています。それにより、レロイ サネにはかなり大きなスペースと余裕ができました。こうなれば左サイドでの仕掛けを得意とするレロイ サネはやりたい放題です。これだけの選手をこれだけのスペースの中で止めるのは簡単なことではありません。そして、この後、レロイ サネは縦に仕掛け、股抜きからファーへ撃つというとても素晴らしいゴールを演出しています。

 

これがダビド シルバの長所であるスペースを利用することと、レロイ サネの長所である仕掛けを組み合わせることによって生まれたゴールです。

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その他の例

これは同じ試合内のフェルナンジーニョによるゴールです。この動画もレロイ サネが中央からのボールを受けて仕掛けてからのゴールで、違うのはレロイ サネに対するスペースの提供の仕方です。この動画はダビド シルバがフットサルで言うパラレラと同じ動きをして、中央へスペースを作ったという状況で、この動きによってレロイ サネにはダビド シルバへのパスコースと中のスペースへのドリブルという2つの選択肢ができあがっています。その結果、レロイ サネは中へドリブルで侵入することができ、より状態のいいフェルナンジーニョに渡すことで生まれたゴールがこの動画です。

次の例は、先日、僕の書いた記事「パスを繋ぎたければ三角形はつくるな」でも紹介したゴールです。この動画の30秒あたりを見てみてください。このシーンでは、通常なら相手の間をとってパスコースを確保するところですが、味方選手は、逆に離れていっているのがわかると思います。その離れていったことにより、パスコースをつくるのではなくスペースをつくることで、本来なら孤立してプレーが困難になるシーンを生み出し、レロイ サネの長所でもある左サイドからの仕掛けをより効果的に発揮することができています。ヨハン クライフの言う「本当にチームメイトを助けられるのは、そこから離れた時だ。」という言葉をそのまま表現したようなシーンです。

 

他にも「ポジショナルプレーにおける質的優位を活かす方法」でも紹介した、名古屋グランパスのロビン シモビッチ、和泉 竜司、ガブリエル シャビエルの関係もかなり効果的な組み合わせです。

まとめ

「戦術は選手を縛りつけるようなもの」という解釈をして、戦術を毛嫌いする人が少なからずいますが、それは違います。今回、紹介したシーンを見てもわかるとおり、選手たちは戦術によって縛られるどころが、自らのプレーを最大限に発揮することができ、チームに大きく貢献することができています。もし、戦術が本当に選手を縛りつけるようなものなら、選手たちは自分たちの長所を発揮することができないでしょう。なぜなら、縛り付けられてしまえば、そこに自分の意思はないからです。僕はむしろ、「戦術は選手を解放するもの」だと思っています。今回、紹介したシーンもそうですが、相手選手から解放された選手たちのプレーというのは本当に素晴らしいものがあります。こういった選手の組み合わせや戦術によって選手の長所をより効果的に発揮することで、そこからスーパープレイが生まれることを考えれば、戦術を毛嫌いする理由は見つからないのではないでしょうか?

 

今回、紹介した選手の組み合わせはほんの一部にしか過ぎません。今回、紹介した組み合わせ以外にも、この選手の組み合わせは選手の個性がある数だけ存在します。このような観点で自分の応援しているチームを見ていけば、必ず適切な補強や組み合わせが見えてくるようになるので、是非、参考にしてみてください。

 

では、また。。。。。

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