フジサルの戦術メモ

サッカー,フットサルの戦術論,哲学について僕の理論を喋ります

日本代表の抱える守備の問題点とは?

この記事は10月10日(火)に行われたキリンチャレンジカップの日本vsハイチについての話です。日本vsハイチの結果は3-3のドロー。負けてはいませんが、内容がいいものかと言われると「はい」とは言えないような内容でした。ヴァイド・ハリルホジッチ監督に関しては「相手がブラジルなら10失点している」と言ったほどです。そんな中、世間では日本の一点目の失点について多くの意見が出ていたので、ここでその話題について触れていこうと思います。

 

その問題の失点シーンがこちら。

簡単な解説をすると、右サイドの深い位置で酒井高徳と小林祐希がプレスをかけに行き、それが回避されてしまいます。その後もFW-MFの間延びしたスペースで受けられてしまい、そこからMF-DFの間延びしたスペースへ運ばれてから、最終的には左サイドからカットインされて、斜めのパスを通り、GKと一対一で失点してしまうというシーンです。

 

この一連の流れの中には3つの問題があったので、今回はそこを解説していきます。

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問題1 ハイプレス時の連動

 

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これは、酒井高徳がボールホルダーに対してプレスをかけに行ったシーンです。このシーンで相手の体の向き、ボールの置き所、利き足を考えるとサイドチェンジor間へのパスの二択でしょう。ですが、サイドからサイドへのサイドチェンジはボールが移動するのに時間がかかるので、相手が選択する可能性は極めて低いと言えます。そうなると自然に相手の選択肢は間へのパス一択に絞られるので、それに連動して小林祐希も狙いに行っているという状況です。

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そして、問題が起きたのは間へのパスが通ったときです。このシーンでは小林祐希までは連動してプレスをかけに行っているのですが、中央と逆サイドにいる選手がまったく連動していません。もしこの画像のマーキングのようにプレスをかけに行けば問題はありませんでしたが、中央にいる乾貴士はこの流れが読めずにその場に居座ってしまっています。その結果、乾貴士はCBにバックパスが出た瞬間にプレスをかけに行こうと重心を移動させ始めますが間に合いませんでした。

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もし、酒井高徳、小林祐希、乾貴士が連動してプレスをかけに行っていれば、右サイドで同数を作ることができていました。そうなれば、相手は自由にプレーができなくなり、逃げのロングボールを蹴るか、そのまま奪われるかで日本はハイプレスに成功していたはずです。

 

ここが攻→守に切り替わった時の一番最初に狙うポイントだったのですが、惜しくも逃してしまいました。ハメきれる形だったのでここはかなり勿体ないです。

 

問題2 スペースを埋めるという意識

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このシーンは問題1で取り上げた後のシーンです。昌子源が相手に収まったタイミングでボールホルダーにプレスをかけているので、ボールホルダーは半身になり、左サイドに体を向ける形になります。そうなると予想されるのが、左サイドを一度経由して空いたスペースを使われるか、空いたスペースへドリブルで侵入されるかの二択で、これだけのスペースがあればドリブルも十分に選択肢として考えられます。その結果、遠藤航ががっつり重心の逆を突かれてしまい、空いたスペースへドリブルでの侵入を許してしまいます。

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では、ここで一つ考えてほしいことがあります。もし遠藤航がボールに対してプレスをかけるのではなく、このマーキングした位置まで下がってスペースを埋めていたらどうだったでしょう?

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恐らく、このような配置になっていたはずです。どうでしょうか?相手の選択肢はかなり絞れているのがわかります。遠藤航がボールに対してプレスをかけに行ったことによって空いたスペースは消え、左サイドを経由したとしても有効に使えるスペースはなく、ドリブルで打開するというのもかなり困難な配置です。

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そうなれば、相手は昌子源からのプレスを避けるために左サイドへパスをして逃げる選択をするか、逃げのバックパスをするかの二択。まあ、どちらを選択されても言うほど大きな問題はありませんが、可能性として高いのは左サイドへパスをして逃げる選択ではないでしょうか。そこまで追い込んでしまえば後は一人ずつスペースを埋めるようにポジションを取り直していけば、守備組織の再構築が可能だったのではないか?というシーンです。なので、ハイプレスが回避されてしまっても、まだ修正可能なシーンだったと言えます。

 

問題3 スペースの埋めるべき優先順位

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このシーンは問題2で取り上げた後、左サイドにパスが出て、その流れからカットインされるというシーンです。ここは日本の守備陣が相手の攻撃を阻止する最後のチャンスとなるシーンです。

 

まず、ここで問題なのは遠藤航が裏へ抜けていく選手について行くという選択をしたことです。サッカーの優先順位として、サイドより中央の方が高く、人よりスペースの方が高いのは当然です。そのおかげで、カットインからの空いていたスペースへのパスコースが綺麗に空いてしまうことになりました。ただ、逆に言えばこのシーンの狙いどころは、カットインからの空いていたスペースに入ってくる選手を狙うしかないという状況です。

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では、どうすればよかったか?それは、そのパスコース上に立ってしまえばいいだけです。そして、自分のマークを捨て、長友佑都、槙野智章に受け渡し、遠藤航自身はパスコース上に立ったあと、一歩だけボールホルダーに寄せるだけです。

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そうすれば、中へのパスコースとドリブルコースが消え、相手の選択肢は後ろへのドリブルだけになります。一枚目の画像だと画面外なのですが、このシーンでプレスバックしてくる選手がいます。その選手と遠藤航がここで挟みこんでしまえば、ボールに対して二対一の状況が生まれるので、相手の攻撃をストップさせるのと同時に、守→攻に繋がる形で奪取することができていたはずです。

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まとめ

今回、ここで僕が挙げた解決策は非現実的なものでしょうか?例えば、一対一の状況をつくりあげて、マケレレやカンテのようにボールを奪えというのなら非現実的なものだと思います。ですが、ここで挙げた3つの問題点の解決策を振り返ってみてください。選手の移動距離なんて、たった数歩だけです。数える程度しかありません。これが非現実的なものでしょうか?決して、難しい技術を要求しているわけではないんです。

 

サッカーにおいて守備とはスペースを埋めるゲームです。かつて、バルセロナはグアルディオラとクーマンを守備の要となるポジションに配置して欧州王者となり、リーガ4連覇をしたように、守備に個人の技術は必須能力ではありません。個人で奪取をするとなれば話は変わってきますが、サッカーでは11人で守ることができます。なので、基本的に守備というのは知っているか知らないかだけです。ただ、知っているか知らないかではかなり大きな差が出てしまうというのも事実なので、守備に必須なのはその知識の部分と判断基準をどう持つかということになります。

 

この問題に関しては過去に答えが出ているので、改善するのには言うほど難しい内容ではないと個人的には思っています。あとは選手たちがその過去から学び、理解するだけという状況なので、これからの日本代表に期待していきたいと思います。

 

では、また。。。。。